原論文 http://udel.edu/~ghuang/papers/tr_gps-vio.pdf
回転の表現はJPL記法を使っていることに注意(JPL記法についてはクォータニオンの基礎を参照)
数学的準備
こちらを参照すること。途中で出てくる式番号はこちらに対応する。
VIO状態定義
IMUセンサーは3軸方向の加速度と3軸回転方向の角速度が測定できる。時刻でのIMUに関連した状態量をVIO状態として定義する。
論文にはバイアス項も状態として含まれているが、議論ではこの項を無視しているのでこの段階で状態から省いておく。
IMUセンサー値を使った状態遷移
センサー測定量、とIMU状態量、の関係
クォータニオンの状態遷移
時刻からまでのクォータニオン状態遷移を求めたい。
となるから、時刻をにして
したがって、微分をとると
となる。
なので、元の微分方程式は
この微分方程式を解くと
となるので、クォータニオンの状態遷移は
と表される。
位置の状態遷移
ここでである。
速度の状態遷移
これで状態遷移は記述できた。
状態遷移に関する共分散行列の導出
error stateでの表現方法
上記推定後の状態に対する誤差共分散行列を求めるために、推定後の状態と推定前状態(前周期推定状態)の偏微分行列を求めたい。この場合はerror stateを考えるとよい。error stateというのは誤差のことで、真値を、予測値を、誤差をとしたときにという関係が成立する。
簡単な例
により予測が更新される場合、求めたいのは、、、である。元の式をerror stateで表すと
整理すると
よって、error stateで状態を表せばその係数が求めたい偏微分相当になっていることがわかった。
姿勢のerror stateによる状態遷移表現
さきほどはクォータニオンで姿勢を表現していたが角度ベクトルで表現することを目指す。JPLとHamiltonの表記によると、(本論文の記法である)JPLでは
一方
ここで求めた関係式を、回転行列の伝搬式
に代入すると
位置のerror stateによる表現
をベースとし、
を使うと
予測値については
という関係性が成立するので、上の式は
速度のerror stateによる表現
をベースとし、位置のerror state表現と同様にerror stateを含ませると
予測値については
という関係性が成立するので、上の式は
伝搬行列まとめ
まとめるとからまでのpropagationを表す行列は
カメラでの特徴点の観測
特徴点の位置をとする。カメラが向いている方向がx、横方向がy、上方向がzである。カメラの画像平面上での観測位置は
また、特徴点のカメラ座標系とVIO座標系の変換の関係は
error stateで展開すると
VIO系での特徴位置とIMUの位置がカルマンフィルターの状態量となる。はIMUとカメラの取り付けの関係(通常既知)である。ヤコビ行列を求める時は一度カメラ系での特徴点の座標を経由してから微分することになる。また、と(VIO系とglobal系の変換)については当然特徴点観測には影響がないが、後のGPS測定に必要になるためここでヤコビ行列に加えておく。
GPSでのIMU位置の測定
GPSはEarth座標系でGPSセンサーの位置を測定することができる。我々が求めたいVIO座標系でのIMUの位置を使った関係式にすると
となる。とはVIOとEarth座標系の間の変換なので、trajectory alignmentなどで求める。GPS測定結果をIMU座標系の位置に直すためにGPS取り付け位置の関係とIMUのVIO系での姿勢を知っておく必要がある。この式を展開すると
論文ではの近似を行っており、
したがってヤコビ行列は