定理の内容
およびがあるとき、
を全て満たす整数が存在する必要十分条件は
であり、このときの範囲にただ一つの解が存在する。
互いに素の2つのペアのケース
定理の内容を言い換えると、が互いに素のとき、
を満たす解がの範囲にただ一つ存在する。
証明
解の存在性
拡張ユークリッドの互除法を用いることで、
となる整数が存在する。これを変形すると
となるので
となる。同様に
なので、
とすれば
を満たすことがわかる。
解の一意性
という2つの解が存在したとする。このとき、
であるから
となり、とは互いに素であるからはの倍数である必要がある。一方解の範囲の条件よりなので、必然的にとなり、である。
互いに素ではない2つのペアのケース
のとき、
の解が存在する必要十分条件は、
であり、解はの範囲に存在する。
解の存在性
拡張ユークリッドの互除法により、
となる整数が存在する。また、なので、と表されるから、
ここでと定義すると
となることから、
となることが示せる。また、もしが以上であれば、を行ってもとの値は変わらないので、解がの範囲に存在することもわかる。
解の一意性
となる解が存在したとする。このとき題意よりはとの倍数であるので、
と表される。とを導入すると、これらは互いに素であり、
とは互いに素であるので、はの倍数でないといけない。一方
よってと求まるので、が示された。