"Umeyama alignment"と呼ばれる、2つのtrajectoryの距離が最小となるようなアライメント手法についての論文をまとめる。
元論文
命題
問題設定
2つの3次元トラジェクトリ、()があるとする。このとき
を最小にするようなを求めたい。
変数の定義
とし、が直行行列、対角行列を使って特異値分解できるとする。すなわち
また、行列は
1: のとき
2: のとき
と定義する。
主張
を最小にするは
である。
証明
Lemma
行列に対するFrobenius normをと表現する。行列のに対して
となる。ただしは
と特異値分解できるとし、はの符号によって上と同じように決まる行列である。 また、行列のrankが以上である場合は、を最小にするが一意に決まり
である。
Lemmaの証明
前半
ラグランジアンを考える。最小化したいのはであり、に関する制約条件はおよびなので、
とする。ここでの性質について考えると、一般にであることを利用すれば
となるので、行列は対称行列として扱ってよいことがわかる。
このをで微分することを考えるが、公式まとめの定理より
および
なので、
となるべきである。これを整理していくと
ここで、となる対角行列(すなわち対角成分が1か-1のいずれかである)を導入すると
となる。ここで、の行列式について見てみると
となりであるから、との符号は一致しないといけない。
となる。ここでこの式の値を最小にするには、の対角成分はなるべく多く1であった方がよく、-1がある場合は一番右下の成分が-1となるべきであり、かつの行列式はの行列式と一致しないといけないことから、はLemmaにあるの形をとるのが最前あることがわかり、題意の前半は示された。
後半
最適なRはとのケースで場合分けを行う。
ケース1: のrankが(フルランク)である場合
には逆行列が存在するので
と求まる。
ケース2: のrankがの場合
ここで(3)では、Dの第成分は0であり、Sの第成分が1であろうと-1であろうとが成り立つことを利用した。
においてとなり、のの部分だけみればDの逆行列が存在しが単位行列とならないといけない。残った第成分であるが、
もしなら、は単位行列になるべきだし、なら、は単位行列のうち最後の第成分のみ-1になるべきなので、整理すると
ただし、行列は
と表される。
Lemmaを利用した証明
となる行列を定義する。このの性質として
を満たす。このを使うと
また、最小化関数は
となるが、
の関係性を利用すると
まず、については第二項のみに依存するので、とすればが最小になる。すなわち
と決まる。次に、の特異値分解をとすると、
と特異値分解できるので、Lemmaを使えば
となるので、を最小にするは
である。また、Lemmaより、のrankが以上であれば、最適なが
と求められる。